ソロプロジェクト特集第一弾 2011 6/1
2010年は「華原イアンBAND」のライブ活動で多忙な日々を送った華原イアン。ついに2011年、自身のソロ活動を開始する。
2011年5月現在、公開前のソロアルバム(正確にはアルバムになりうる新曲のラインナップ)をまとめて聴かせていただいた。仮タイトルは「赤い雲」。骨太なサウンドの華原イアンBANDとは随分違う、繊細な曲もいくつかある。まだ多くは語れないが、全曲流してもリスナーを飽きさせない構成になっている事は間違いない。
正直、華原イアンBANDとのギャップは思ったより少なかった。彼のクラシカルなテイストをBANDとは違ってリラックスして聴ける、というのが最初の印象だ。ギャップがあるとすれば、 華原イアンが歌っている、いわゆる「歌もの」が半分を占めている事。まず彼は作曲家であり、ギターリストである。ライブのときに数曲はギターボーカルをとる事は知っていたが、ここまで歌の曲を持ってくるとは!という驚きがある。(あくまで主観的な意見として受け止めて頂きたいが)
華原イアンのソロとは彼にとって何をやる場所なのか?BANDとの違いや今後の展開などをこれから定期的にレポートしていきたい。
バイオリンとギターとロックと華原イアン
ロックバンドにバイオリン。
何の事かと言うと、華原イアンソロのラインナップには元々バイオリンが主メロディーを演奏するために書いた曲が多数あるという事。今でこそ主旋律にバイオリンが乗っているバンドもいることはいるが、華原イアンがバンドを始めた当時、そんな構成で曲を書く人は珍しかったはず。もしかすると当時、彼は変わったバンドマンだったのかもしれない。
今回のアルバムを聴き、随分複雑なメロディーだな、ギターリスト的ではないフレーズも沢山あるな、と感じたがそのあたりも含めて華原イアンのバックボーンなどについて聞いてみた。
以下、華原イアンのコメント
ーーーーそうだね、基本的には僕は作曲家だから、もちろんバイオリンも持っててさ、プレーヤーみたいには弾けないけど運指は確認して曲を書いてたよ。で、バンドやる時も、バイオリンプレーヤーに譜面渡して、かなり難しいフレーズも無理してやってもらってたなあ・・・。
つまり、僕はギターもバイオリンも得意な作曲家だった訳。
で、数年前にギターリストとして復活する際、バイオリンで演奏していた昔の曲をリメイクして、今回エレキギターで演奏してます。だから、ギターらしいフレーズだけじゃなくて、むしろバイオリンらしいフレーズがあるのは自然な事。
ちょうど僕らが若い頃、ブリティッシュハードロックが盛り上がっていたわけで、今でもロックならハードロックが好きなんですよ。
だから華原イアンはハードロックの要素とクラシック音楽の要素が当たり前に共存しているんです。ーーーーーーーーーーーーーーーー
なるほど、まだまだ序章にすぎないが彼の背景が何となく見えてきた。
ちなみにバイオリンパートをギターに置き換えた曲が多数あるのだが、これを彼は「リメイク」と呼ぶ。
「アレンジ直し」や「リミックス」といった言葉があるが、楽曲にリメイクという言葉を使うのもイアン流。
「人が使わない言葉をさり気なくかっこ良く使えたら楽しいから」と、いかにも彼らしい。音楽人生を人一倍楽しんでいるのは間違いない。
華原イアンが歌うという事
彼は模索している。どう進むべきなのか、今どんな曲を作り、どうプレイできるのか。ここ数年、華原イアンBANDとして3ピース・インストバンドを結成し、ライブ活動に専念して来た彼だが、ソロ活動を開始、そして歌う。
兼ねてから華原イアンBANDのアルバムを制作予定だったそうだが、どうやらソロのアルバムが先行しそうだ。
さらに今年はギター一本とマイクで弾き語りライブも予定し、様々な角度で実験を試みている。そこで「弾き語り」という言葉の扱いが難しい・・・彼と話して、そう思った。古く70年代からの弾き語りは、そもそも歌ものは、やはり歌=歌詞が一つの要だ。イアンは歌うという事をどう捉えているのか。それは次回、深堀してみようと思う。
最後にとても主観的なツブヤキを残し、今回のインタビューレポートを閉じよう。
「やはり華原イアンはプレーヤーであり、その前に作曲家なのだ」
(記事・インタビュー nisan)