ソロプロジェクト特集第二弾 2011 7/10
華原イアンが歌うということ
先月に続き、キマキマレコード 華原イアンのソロプロジェクトを追う。
ハードでメロディアスなインストが多い華原イアンBANDの印象があまりに強烈だったので、華原イアンが歌うと言い出した時、にわかに信じられなかったというのが正直な気持ちだった。
しかもギター1本でライブをやる可能性もあるという。一体何をやるつもりなのか?そこが非常に興味深い。まだライブをやっていないし、実際に聴いてみなければ何も解らない。しかし結論から言ってしまうには早計すぎるが、どうやら彼は本気なのだ。
歌を歌うスタイル一つのスタイル 弾き語り
ギター一本、弾き語り。言わずもがな、古くからあるスタイルで、それは多くのミュージシャンがこれで歌っている。ギター以外にも、ピアノ、ベース、一人で演奏しながら歌を歌えば全て「弾き語り」だ。すこし言葉が古い印象もあるが、自分で作詞作曲してプレイする人をシンガーソングライターと呼ぶ。
確実に裏をとっていなくて申し訳ないが、「ギター弾き語り」は英語ではsing and play guitar(他にもいくつか言い方がある)となる。どうやら日本語の「語り」の部分は日本独自のようだ。
バンドのボーカルがたまに一人でギターを片手にアコースティックギターアレンジで演奏したりする場合もある。「じゃあ、ボーカルが一曲弾き語りやります!」なんてシーン、よく見かける。ビートルズのブラックバードなんかは、その代表的な一つだろう。そういう意味では、華原イアンBANDの華原イアンがソロで弾き語りをしても、なんら不思議ではないのかもしれない。
そんな彼にいくつか質問をしてみた。
■弾き語るのですか?
「いや、正確には僕は「弾き語り」をやるのではないよ。そもそも歌詞は自分のじゃないしね。そういう意味での弾き語りではなくて、歌は音として聴いてもらえたら嬉しいよ。実は歌が高音、ギターの中音、低音の3パートに分けて和声楽的に作っているんだよね。で、その3つのパートの音楽を、メロディーを、右の脳で聴いてもらいたい。もちろん、素晴らしい歌詞を用意したんだから、言葉も聞いてほしいけど・・・。
何語でも結局、言葉の意味が分からなくてもいい歌はいい歌だよね。僕たち日本人が英語の歌を聴いて、どこまでネイティブの人たちと同じように聴けるんだろう?と考えた事があってね。でも、これはとても難しい事なんだと思うよ。直訳の意味はわかってもさ、やっぱりネイティブでないと感じられない事もあると思うんだよ。随分前だけど、ジョンレノンがこういっていた。あの名曲アクロス・ザ・ユニバースについて、この曲は曲はいらないんだよって。
衝撃を受けたというか、ふられちゃったというか。そうか、これは弾き語りの「語り」がメインなんだ、じゃあ僕がこれからやるのは「弾き語り」とは言えない別のものだな、と思ったよ。だから音の構成には本当に気を配って、音楽として成立させていきたいんだよね。」
■歌は練習してる?
「自分で練習してます!って言うのはおかしい話だけど(笑)、あえてお答えするなら、はい、練習しています。ライブを想定して表情をビデオでチェックしたり。いやー、恥ずかしい話しかもしれないけどさ、やるならとことんやろうと思っているんだよね。始めからなんでも様になるやつはなにもしなくていいし、そうじゃなければやるべき事はやった方がいいに決まってるし。」
なるほど、冒頭でも述べたように、やはり華原イアンは本気で歌おうとしている。ソロプロジェクトという大きな課題の中の、一つの大きな柱になりそうだ。